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2020年東京オリンピック、スイスと日本共通の価値観を取り入れたスイス・ハウス設置へ

Reuters

東京で開催される第32回夏季オリンピック・パラリンピックに向けてスイス・ハウスが設置される。

 スイス外務省は26日、2020年東京五輪に向けて、スイス・ハウスの設置が連邦議会で承認されたと発表。スイスを国際的に促進する政府機関プレゼンス・スイスのディレクターを務めるニコラ・ビドー大使は、スイスインフォに対し「スイスと日本に共通の価値観を取り入れたスイス・ハウスにしたい」と話す。「あまり知られていないが、日本人とスイス人には、例えば、入念さ、几帳面さ、仕事の完璧さなどの共通の感性があると思う。他にこれほどスイスと共通するものがある国はなかなか無い」と連邦内務省文化局の元映画責任者だったビドー大使は説明する。

 スイス・ハウスでは、「スイスのメダリストの記者会見や経済・観光振興イベントも行う予定だが、アピールするのはチョコレートや流行のスイスの白ワインだけではない。身体障害者スポーツの大きな発展が見込まれると言われる2020年東京パラリンピックの開催に伴い、スイスも身体障害者のためのロボット技術や義肢装具の研究に力を入れていることなども紹介したい」と語る。

 そして、施設のデザインや建築においては、「スイスと日本の建築家による共同設計を検討している」と明かす。「いろいろな日本の卓越した建築家をプロジェクト提携の視野に入れているが、例えば、最近スイスで優れた建築作品を設計した隈研吾氏は、スイス建築家と共同作業をしたいとも言ってくれている。」「スイスと日本共有の建築概念を取り入れられたら」と思いを寄せる。

 スイス・ハウスの設置には、440万フラン(約4億9200万円)が見込まれているが、そのうち3分の1はスポンサーが支援する予定。建設場所は依然として未定だが、渋谷か東京湾の埋立地の一角を候補としているという。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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