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スイスの風刺画家が見た2016年

英国の欧州連合(EU)離脱、シリア内戦、欧州でのテロ事件、ドナルド・トランプ氏の次期米大統領への当選、キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長の死去…。世界的に大きな事件が多く起こった2016年は、風刺画家にとって筆の休まらない1年になったようだ。

 2008年から毎年開催されている展覧会「Gezeichnet(イラスト)外部リンク」が今年もベルンのコミュニケーション・ミュージアムで開かれている。同展示会はスイスで活躍する風刺画家50人の作品200点を展示。その中から鑑賞者の投票によって16年の最優秀作品が選ばれる。

 スイスの風刺画界にとって16年は悲痛な年となった。スイスで最も有名な風刺画家に数えられるフィリップ・べクラン氏(58)とレイモン・ブルキ氏(67)が癌で立て続けにこの世を去った。

 「Mix & Remix」のペンネームで知られるべクラン氏は主にスイスのフランス語圏の新聞で活躍した風刺画家だが、大きな鼻が特徴である同氏の作品は、国外の紙面も何度か飾った。そしてべクラン氏の死から10日後に、日刊紙ヴァントキャトラーで活躍したブルキ氏が死去。同氏は14年9月に定年を迎えた後も、風刺画を書き続けていたという。

 展覧会「Gezeichnet(イラスト)外部リンク」では、両氏の他にもスイスの著名な風刺画家、フェリックス・シャート氏(ターゲス・アンツァイガー)、マックス・シュプリング氏(ベルナー・ツァイトゥング)、ペーター・シュランク氏(バーゼラー・ツァイトゥング)、シャパット氏(ル・タン、NZZ・アム・ゾンターク)、オルランド氏(ブント)、ベン・マルケジーニ氏(ル・マタン)、ミヒャエル・ストロイン氏(風刺画誌ネーベルシュパルター)などの作品も展示されている。

(文・Samuel Jaberg、swissinfo.ch 独語からの翻訳・説田英香)


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