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柿谷選手、スイス名門FCバーゼルへ移籍

Kakitani
セレッソ大阪でプレーする柿谷選手 Keystone

J1セレッソ大阪の柿谷曜一朗選手のFCバーゼル1893への移籍が7月7日、明らかにされた。W杯で感じたくやしさをバネに、大阪育ちの柿谷選手がスイスへと活躍の場を広げる。契約は2018年6月30日までの4年間。移籍金や条件などは明らかにされていない。背番号は14だ。

 「ワールドカップで悔しい思いをした中でいっぱい考えて、FCバーゼルでチャレンジしようと決めました」

 柿谷選手はセレッソ大阪を通じ、移籍に関してそうコメントした。1990年生まれの24歳。大阪で生まれ育った。セレッソ大阪の下部組織出身で、2006年にクラブ史上最年少の16歳でプロ契約を交わしている。J1通算リーグ戦では78試合出場し、33得点をあげた。今回のW杯ブラジル大会のメンバーで日本代表に選出され、2試合に途中出場している。

FCバーゼル

 柿谷選手の移籍先、FCバーゼルの創設は1893年。リーグ優勝17回を誇る、スイスの強豪クラブだ。スイスの1部リーグであるスーパーリーグで5連覇中で、過去にはヤキン兄弟が同クラブで活躍した。現在はシュトレラー、ゴンザレス、シオなどがプレーしている。今回のブラジルワールドカップでスイス代表として活躍を見せた、MFシャキリもバーゼル育ちだ。

 FCバーゼルの柿谷選手への期待は大きい。同クラブのホイズラー会長は、クラブサイトのインタビューで「日本の質の高いサッカーリーグで切磋琢磨してきた柿谷選手は、積極性のある、華麗なプレーをする。動きも早く、どちらの足を使っても問題なくプレーが出来る。FCバーゼルを勝利へと導く選手の一人となる」と評価。「柿谷選手を今回獲得出来たことは、今後の選手の獲得にもつながっていくものだ」としている。監督については、今シーズン、2012年からFCバーゼルを率いてきたヤキン監督の後任として、元ポルトガル代表パウロ・ソウザ氏が就任することをうけ、「チームは今、新しい監督と一丸となり、集中してトレーニングに励んでいる」とコメントした。

 またFCバーゼルのプレスリリースでホイズラー会長は、「FCバーゼルは柿谷選手獲得に向けて半年間努力を続けてきた」とし、「数多くのヨーロッパのクラブからのオファーがあったにもかかわらず、柿谷選手がFCバーゼルを選んでくれたことは光栄だ」とも話している。

夢だった海外でのプレー

 一方、柿谷選手もクラブからのプレスリリースで「自分の夢であった、海外でのプレーを現実にしてくださったバーゼルの関係者の皆さんに心から感謝します。1日も早く溶け込んでチームの勝利に貢献できるように頑張ります」とメッセージを送っている。

 この柿谷選手の移籍を、日刊紙BZバーゼルやNZZをはじめとする有力各紙やメディアはこぞって報道。スイスのサッカーファンが柿谷選手に送る視線も熱い。柿谷選手は2014年7月16日付けでFCバーゼルへ完全移籍し、その3日後の19日にはスイスリーグ初戦が始まる。FCバーゼルファンがホームスタジアムであるザンクト・ヤコブ・パークで、14番「カキタニ」を目にする日はそう遠くはない。

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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