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有機栽培農家を救ったウイルス殺虫剤の開発者

有機農作物を虫害から守るための、画期的な害虫駆除剤を開発したアンダーマット夫妻。長年にわたりこの分野に貢献してきた夫妻に、有機農業用農薬の開発エピソードを聞いた。(SRF/swissinfo.ch)

イザベル・アンダーマットさん(59)とマーティン・アンダーマットさん(58)は夫婦であると同時にビジネスパートナーでもある。夫妻は、スイスで初めて有機農業用の農薬を世に送り出した。30年前、農薬と言えば化学農薬しかなかった時代に、夫妻は害虫を病原ウイルスに感染させて駆除する農薬を開発。有機農業用農薬のパイオニアとしての地位を築いた。

1986年、夫妻は顆粒症ウイルスを使い、蛾の一種であるコドリンガからリンゴを守る方法を研究・開発。当時、スイスの農家が育てるリンゴの50%近くがコドリンガの虫害に遭っていた。翌87年までには、アンダーマット夫妻が開発した害虫駆除剤は実地検査に合格し、製品の暫定的な販売許可を得た。この製品は今日「マデックス」の名で知られている。

現在、アンダーマット・ホールディングスは、スイスの国内外にグループ会社を置き、植物用の有機農薬や動物用医薬品など多様な製品を扱っている。

シリーズ「スイスのパイオニア」:それぞれの専門分野で第一人者として国内外で活躍するスイス人に焦点を当てた。スイス公共放送SRF制作。

(英語からの翻訳・江藤真理)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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