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サフラン ヴァレー州に咲く金の花

10月に3週間だけ花を咲かせる「クロッカス・サティウス」。巷ではサフランと呼ばれ、薬用や香辛料に用いられる。スイスではマッターホルンからほど近いヴァレー(ヴァリス)州ムントで栽培され、その優れた風味と品質の高さが美食家を虜にしてやまない。

サフランは個性的な植物だ。同じアヤメ科の同属種でも、早春に咲く観賞用クロッカス(通称「春クロッカス」)と、薬用や香辛料として用いられるサフランでは、そのライフサイクルも大きく違う。

春クロッカスの花が咲く頃、サフランの茎葉は枯れ始め、夏を乗り気るための必要な栄養素を球根に送る。この茎葉が千切れたり、つぶれたり、腐ったりしてしまうと、その球根はたちまち駄目になってしまう。そのためサフラン畑にはしばしば柵が張られ、鹿など野生の動物が近づけないようにしてある。

もともとサフランの栽培は東洋で始まり、8世紀頃アラブ人からスペイン人へと伝わった。スイスにはフランスを通じて伝わった。

サフランの栽培に適した土壌は砂質で、若干粘土質であること。また軽く、乾燥していて、あまり肥えていない土壌であることが求められる。そのような環境下で、この繊細な植物はしっかりと育つという。

(写真:Katja Hoffmann、Gregor Lengler/laif 文:Gaby Ochsenbein、swissinfo.ch)

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SWI swissinfo.ch スイス公共放送協会の国際部

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